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【映画】クリストファー・ノーラン監督初の長編映画『フォロウィング』

徳島県で映像・写真・執筆などのクリエイティブ業を営んでおります、DAISUKE KOBAYASHIです

一番好きな映画は?と聞かれたら『パルプ・フィクション』と答えるかもしれないし、『トレインスポッティング』と答えるかもしれない。監督はクエンティン・タランティーノにダニー・ボイル。

では一番好きな映画監督は?と聞かれたら迷わずこう答えるでしょう。クリストファー・ノーランだと。

今回はそのノーラン監督初の1998年の長編映画『フォロウィング』を観たので、それの感想というか、それを観たことで受けた刺激について書いてみたいと思います。

オッペンハイマーの流れで都会ではHDレストア版が劇場公開しているなどして、ノーラン好きにはたまらない2024年となっていますが、ボクはそうした流れに乗ることはなく(未だオッペンハイマーすら観ておらず)、DVDで鑑賞をしました。

DVDは実は以前に購入して持っていたのですが、いまいち観る気が起こらず観ずじまいになってしまっていました。なぜ観る気が起こらなかったかは分かりませんが、ようやく観ることができました。

オッペンハイマーを未だ観ていなかったり、買ったDVDを観ていないなんて!本当にノーラン監督が好きなのかっ!?と自分でも思いますが(笑)、世の中にはタイミングというのもがあり、そのタイミングをボクは大変重要にしています。なのでどれもこれも漁って観ることがすべてではなく、世の中とボクの時間軸においてのタイミングが一番重要なのです。ちなみにオッペンハイマーは観るなら本物のIMAXでと思ってて、大阪エキスポまで行かなきゃいけないのでなかなか観れずじまいって感じなんです。

で、フォロウィングに関してはそんなタイミングがようやく来たなと思い今朝、朝から視聴をしました。最初のカットから一気に引き込まれ、各シークエンスで回収されていく伏線の素晴らしさに鳥肌を立て、70分という長編にしては短めな尺も良く、最後のどんでん返しはボクの大好きな展開となり、映像や脚本、そして映画ってこれだよねといった余韻を残した素晴らしさを存分に感じることのできた体験となりました。

映画のジャンルとしてはフィルム・ノワールもののミステリー。そしてノーラン監督の基本スタイルである「時系列いじり」はフォロウィングからすでに導入されており、丁度よいいじり方でこれぐらいの方が理解しやすいと感じる方は多いと思います(ボクはメメントぐらい入り組んでいた方が好きです)。そして全編モノクロで、全体的に寄りなカットが多いのが印象的。それもそのはずこの映画が制作された予算はなんと6000ドル(3000ドルとも言われています!)。日本円にして当時約60万円!たったそれだけの予算で映画というものを作ったことに驚きを感じますが、冷静に考えて映画を観れば6000ドルってのも頷ける規模感で撮られています(故に寄りカットが多い)。にも関わらずここまで面白いとなると、なんというか脚本が如何に重要かを改めて理解することができた作品でした。

「映画撮るなら300万ぐらいは必要でしょ」なんてことの『低予算の超・映画制作術 『カメラを止めるな!』はこうして撮られた』を読んだりして考えていたりしましたが、フォロウィングを観終わった後では「50万でいけるな…」なんて考えに大きく変わってしまった自分がいます(笑)。ええ、ボクは相当単純なんですが、そうやってルールブレイクしてくのが自分のスタイルでもあるのです。

色々と考察しがいのある映画ともなっており、例えば劇中に出てくるCDに『シンプリー・レッド』が引用されたり、一瞬『トレインスポッティング』のサントラが見えたり。「あーなるほど95年あたりね」などと当時の時代背景を色濃く残す手法を取っていたり、他にもおそらく映画の意味をより深い段階へと落とし込むための小細工がいくつかあると想像できますので、そうした意味でも重要なのはやっぱり脚本なんだよねとなっているのです。

重要なのは脚本というのは、現在誰でも映像をそれなりにキレイに撮れる時代になりました。2019年あたりからコンシューマー用でも10bitという色調の多いビットレートで撮れるのがわかりやすい例と思いますが、とにかく2024年現在は誰でもキレイに撮れる時代です。

そうした時代で、ボクのような映像制作者はどのようにして表現していくのが最良なのだろうか?と考えることも多くなりました。キレイに撮るなら正直誰でも撮れるのです。その答えのひとつには確実に脚本力があるのですが、テクノロジーの発達によって時代が進もうとも人間から生まれる「想像力」だけが次元を超えてくるのだなーと感じています。

そうそう、ボクがノーラン監督作品の愛してやまないところに、次元・時空・時間を超越した所に人間しか持てない愛を表現している部分があります。時間軸をいじったり独自の世界観が先行して語られがちですが、彼は人間の普遍性を大きく描いているところ(とボクは感じています)に非常に影響を受けているのです。

そんなことを感じさせてくれたノーラン監督の『フォロウィング』。間違いなく名作です!ってことでもう一回観よう。

ボクはメメント、ダークナイト、インターステラーに続いて好きかな。

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余談として、ノーランは小説を読むときにクライマックスから読むタイプと何かで見た記憶がありますが、実はボクも小説を読むならそうするタイプでして、そんなこともあってノーラン監督の時系列の感覚が多分直感的に理解できているんだと思っています(笑)

ちなみに30歳ぐらいの時にそれを友人に話すと「こんな作者に失礼な人初めて見た!」と笑いながら言われましたが、それは今でも全く変わっておらず、小説は絶対に逆から読んだ方が面白いですよ!自ら伏線を張って回収するスタイル(笑)!超オススメです!

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