過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

前回の#01は従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化をした栄養学の進化についてザッと書いてみました。

今回#02では、その精密栄養学で非常に重要な役割と言われている、重要な要素IL -6(インターロイキン)について、僕が現在学んでいる事を書いてみたいと思います。

ちなみに、ヘルスラーニングジャーナルとは、健康について学んでいる僕がアウトプットする場です。詳しくはこちらを読んでいただけたら概要が解るかと思います。

ではいってみましょう!

IL-6(インターロイキン)とは?

先ず、IL-6とは何か?IL-6とはサイトカインと呼ばれるタンパク質の一種で、主に免疫応答や炎症反応の調整に関与します。免疫細胞、脂肪細胞、肝臓、筋肉などで作られ、身体の防衛システムにおける司令塔のような存在です。急性炎症・慢性炎症・代謝・神経系・がんの進行にも関与しています。

IL-6の具体的な動きは、ウイルスが体内に侵入すると、IL-6が免疫細胞を活性化し、身体を守るための攻撃命令を出します。さらに発熱や炎症といった防御反応を引き起こし、侵入者を排除するために最適な環境を整え、健康を維持するための幅広い役割を担っているのです。

IL-6遺伝子という存在

そしてややこしいのがIL-6遺伝子という存在もありまして、こちらはIL-6を作る設計図のようなモノで、IL-6が発現する鍵を握っています。

このIL-6遺伝子の変異により、病気などのリスクに影響を与えると言われれており、そのため精密栄養学の遺伝子の視点で考えた時に、このIL-6の存在が非常に重要な要素になると言われているのです。

遺伝子の変異は、DNAの塩基配列が何らかの原因で変化することを指します(バグのようなものでしょうか)。この変化により、遺伝子が正常に機能しなくなることがあり、さまざまな疾患や身体的特徴に影響を与えることがあるのですが、IL-6遺伝子に特定の変異があった場合には、IL-6の発現が過剰になり、炎症性疾患や免疫関連の問題を引き起こす可能性があると言われているのです。

例えば体内で炎症が起こりやすくなったり、炎症が慢性化してしまったり、免疫システムが過剰に反応してしまい、軽度の花粉症でも過剰に反応してしまうなど、僕に限らず皆さんにとってもどこか身に覚えがあるような症状を起こしてしまうのです。

そう考えると、精密栄養学での健康アプローチは先ずは遺伝子を検査し、そこに変異がないかを確認し、健康戦略を練って対策を講じていくことが健康へのファーストアプローチということができるのではないでしょうか?要は付け焼き刃的に適当な知識を使い、例えばサプリを飲んだとしても効果は薄いのです。

ちなみに、僕は数万円で試せる簡易的な遺伝子検査を5年ほど前に受けたことがあります。正直あまり参考になるモノではありませんが、一例として遺伝子型がAAで腹部大動脈瘤のリスクが高いなどといった事を知ることが出来ますので、それを基に健康リスクヘッジを考えることができるのです。

こうした事が、前回に書きましたオーソモレキュラーから分子栄養学、ヒトゲノムプロジェクト、アメリカの精密栄養学への資金投入により可能になってきている時代なのです。そして将来的には確実にこうした栄養学が医療分野に当たり前のように導入され、人々の健康と生活の概念は大きく変わることになるかと僕は予想をしています。

「最近ちょっと体調悪くて…」「ああ、君の遺伝子バグってるね、ちょっと修復しようか」と、どこかSF映画でみたような世界も想像できますが、そうしたモノも近くなってきているのではないでしょうか?

それがいつ頃なのか?は全く知りえませんし、『白い巨塔』である日本の医療ではまだまだ先が長そうだと感じていますが、それを先頭で見たい!と思い、こうして勉強を重ねている次第なのです。

IL-6の遺伝的リスクをコントロールする

さて話を戻します。精密栄養学ではIL-6の遺伝的リスクを事前にコントロールすることも可能で、栄養素や生活習慣が重要だと考えられています。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸(DHA・EPA) を持つ、魚(サバ、イワシ、マグロ)や、アマニ油やチアシードなどから接種することで、IL-6の分泌を抑えることが可能です。

ポリフェノール

ポリフェノールもIL-6の過剰な作用を抑える働きがあります。ウコンの成分であるクルクミン、緑茶のカテキン、ブルーベリー、カカオ70%以上のチョコレートなど、抗酸化作用と抗炎症作用が兼ね備えています。

ビタミンD

免疫細胞の調整をするビタミンDの存在もかかせません。ビタミンDは免疫細胞の働きを調整し、炎症系サイトカインの分泌を抑制する役割を果たします。

血糖値をフラットに

血糖値が上昇する食事は炎症の原因となるサイトカインを活性化させる原因となるため、血糖値をフラットに意識することが大切になります。

適度な運動

ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動は、IL-6の過剰な分泌を抑えます。合わせて体内の抗炎症作用を促進します。

これらを考慮しながら個別にアプローチできるのが精密栄養学と言え、IL-6をコントロールすることが健康の鍵であり、健康戦略となることは間違いありません。

まとめ

IL-6(インターロイキン-6)は免疫反応や炎症に重要な役割を果たすサイトカインで、急性期反応や感染症、自己免疫疾患に関与します。

IL-6の分泌はIL6遺伝子によって制御され、この遺伝子に変異が生じるとIL-6の産生が増加することがあります。IL-6の過剰な産生は炎症を悪化させ、慢性疾患の発症に繋がることがあるため、遺伝的背景を考慮した予防や治療が重要となり、それを可能にするのが精密栄養学と言えます。

ビタミンDはどうやって摂ったら良いの?血糖値をフラットって?などといったことは今後各記事としてピックアップしていきますので、今は一先ずスルーしてもらえたらと思います。

次回#03は『ミトコンドリア』について書いていきます!

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