徳島県で映像・写真・執筆などのクリエイティブ業を営んでおります、DAISUKE KOBAYASHIです📝
今日は『ビジュアルコミュニケーション戦略』について書いてみたいと思います。今後ボクはこれを軸に活動をしていくため、考えていることを文章化しておきたいという思いも込めての執筆になります。
先ず、ビジュアルコミュニケーション戦略について。そもそもビジュアルコミュニケーション戦略というものが世の中に存在するのか?全く知りませんが、これはボクが長年映像や写真などを仕事を通じて撮ってきたことで感じた違和感から生むことになった、生業としての概念になります。
では感じた違和感とはなにか?それはどこから書けば解りやすいでしょうか?ボクは個人事業主として映像を製作したり、写真を撮ったり、文章を執筆したり、あとはウェブサイトを製作したりと、マルチなクリエイティブ業を営んでいるわけですが、どこか特定の広告代理店や制作会社から下請けや外注として仕事を頂くことはほとんどありません(時々あります)。なぜならそうしたスタイルがあまり好きではないため(会社員の延長的スタイルや会社への依存性が高いため)、それを選ぶことを敢えてしないようにしているのです。なので借金こそありませんが自転車操業的に仕事を頂いては次の仕事に取り組む…みたいなそんな感じでボクは仕事を成立させています(ギリギリなんとか)。
しかし、そうしたスタイルで仕事をしてきたことで感じてきたこと…もっと言うと仕事をしてきた当初から感じていたにも関わらず、言語化できなかったり、その違和感を言葉にしようとしなかったのかもしれませんが、それは「この仕事をしたことでクライアントやクライアントのお客さん、そして社会にどれだけの意味を持たせることができているのか全く分からない」ということです。
そう感じるのはボクが行っている仕事の性質上(広報や広告的な仕事なため)、一部分しか担えないところがあるし、チームを作る以前に仕事が進んでいってしまい、作って納品してハイ終わり、写真撮ってハイ終わりみたいなことも実は多々ありまして、そんな仕事を繰り返しているとそう感じずにはいられなくなるのです。(余談に感じるかもしれませんが、個人の時代を先取り、買収当時確か大赤字を垂れ流していたにも関わらずGoogleがYouTubeを買収した理由も今ならよく分かります)
では、マーケティングやブランディングも同時に担う広告代理店などと一緒になりお仕事をしていれば、実はそうした違和感もなくなるのかもしれないなーと思いながらも、マーケティングやブランディングといった言葉が安易に使われる昨今にそのスタイルで仕事をしていくことも、どうもいまいちピンとこないのが正直なところなのです。企業の広告への依存性もどうかと思っているほどですし、広告以外の新しい経済社会システムがあるべきとも考えています。
そこで考えた末に生まれてきたのが『ビジュアルコミュニケーション戦略』という概念だったというわけです。で、ビジュアルコミュニケーション戦略とは何か?を説明するなら、読んで字のごとくビジュアル(視覚)でコミュニケーション(伝える)する戦略ということになります。ここでは戦略という言葉を使っていることが非常に重要で、戦法でなければ戦術でもありません。戦略とは戦法や戦術と同じく戦うことを前提に考えられている手法と思われているかもしれませんが、戦略とはそもそも「戦わない」手法とボクは認識をしています。競争がとにかく苦手なボクにとってこの資本主義社会は大変生きづらいのですが(笑)、そもそも戦うこと、競争することをやめればいいじゃん!とも考えているため、それをボクの生業の概念に落とし込み、視覚で伝えられる力で解決していこいう!という考えに至ったのが、ビジュアルコミュニケーション戦略が生まれたはじまりになります。
では、どのようにビジュアルでコミュニケーションするのが良いのか?戦略につながるのか?については、それぞれ企業や個人が抱えている問題などによって大きく変わってきますので、その都度クライアントと一緒に考えていくことになりますが、基本的には普遍的なモノである映像・写真・文章の三つを三位一体として考え短期〜長期的に構成をしていきます。これらを軸にどの媒体やプラットフォームを利用し、社会とコミュニケーションを取っていくのか?こうしたことを戦略の前提として中身を作っていくことになります。
中身とは映像であればドキュメンタリー映像や記録映像が考えられますし、写真であればとにかく残しておきそれをデータベース化しておき、いつでも顧客にナラティブに企業価値を提供するなども考えられます(映像も同じです)。文章であれば写真と組み合わせることやメールマガジンをはじめるなども考えられますし、中身の作り方は色々と考えられますが実は普遍的なモノはごく限られているモノでもあるため、映像・写真・文章を使った「なにか」を考えるのが自然なことかなと思います。それがデジタルか?アナログか?ぐらいの違いでしょうか。そして残すモノはすべてきちんと管理し、資産となることを前提に構築をしていくのです。
こちらは短期的な視点ですが、2021年あたりに製作したドキュメンタリー映像『あまべ牡蠣産歌』はビジュアルコミュニケーション戦略を考えるキッカケになった作品ですので紹介します。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/76e7214c8f1c95fa40085edecab94c9d4a19e855
『あまべ牡蠣産歌』映像はヤフークリエイターズというプログラムが当時ヤフーにはありまして、それに載せる用に制作を進めていました。進めていくなかで今回のトピックが社会的インパクトを与えるニュース的な意味合いが強くあったため、ヤフー側からヤフートピックに載せられるように提案をいただきました。で、このヤフートピックを知らないと何それ?って感じですが、ヤフートピックとしてピックアップされるとPVが爆発的に増える傾向がありまして、そもそもここをチェックしている人は社会に対して敏感な人たちが集まっています。ですので、そこに載せられるだけで多くの人の目に留まる可能性がある訳ですが、簡単に載せられる訳ではありません。しかし、映像と文章の内容を詰めに詰め、載せる価値があるクオリティまでに仕上げ、見事載せることになりました。お陰でPVは爆発的に伸び、結果多くの方の目に留まることになったのです。
で、この後、映像の取材対象者が所属する会社には大手テレビ局も取材に入るようになり、ボクが作った映像を資本という力で簡単に上書きしていった訳ですが(笑)、彼の会社はベンチャー企業。たまたま資金調達のタイミングでしたがメディア露出の影響もあってか?確かなことはわかりませんが、無事に資金を調達することができたのです。
これは単発ではありますし、たまたまタイミングが重なったという一例でしかありませんが、こうした未来を予測しながらを前提に戦略的にビジュアルコミュニケーションを行っていく。それが『ビジュアルコミュニケーション戦略』ということができます。要は普遍的なコトを普遍的なモノ使って、普遍的に残していく。といった感じでしょうか。
また、SNSが当たり前になった昨今では映像や写真はもとより、自分の健康や大事なモノゴトさえも流れていくタイムラインのように短期的な視点で見られるようになりました。ボクはこの短期的な視点を当たり前のように持ってしまう個人や社会にある種の危うさを感じていると同時に、自分もそっちに流されないとクリエイターとして生きていけないような危機感も抱いています。そんなこともあり『ビジュアルコミュニケーション戦略』という概念を生み、社会になにかしらのインパクトを与えることができたらと考えているのです。そして、資本主義が生きづらいとボクは先ほど書きましたが、生きづらいなりに流れに逆らい自分なりに抵抗しながら生きてきたつもりでもあります。しかしこれから先もボクは抵抗し続けられるのだろうか?そんなコトを感じたのです。ですので、逆らうのではなくメインストリームに対してのオルタナティブな方法で社会とコミュニケーションしていけばきっとボクはクリエイターとして生きていけるし、少しは社会にインパクトを与えられるのではないだろうか?と考えるようにもなったのです。
とは言っても短期的なことがダメ!メインストリームがダメ!とかそういうことではなく、バランスが大事であるということです。短期的視点になると二項対立的なそれは正義か悪か?になりがちですし、短期的視点だと極論しか語れなくなるので、そこをしっかりと補完し中身を入れていくということです。要は中庸。guilty or not guiltyといったところでしょうか。
2024年現在は『ビジュアルコミュニケーション戦略』の概念の説明機会があれば、誰かしらに説明するとともに徐々に進めていっておりまして、今年中になんとか形になればと思っています。これを形にすることができたらすごく面白い取り組みになるだろうなとボクは感じています。ボク自身がビジュアルやコミュニケーションや戦略に対しまだまだ知識が浅いところもあります。このあたりは時間をかけ学んでいきたいなと思っています。
そしてこれはある種社会を通じて長期的な視点でインパクトを与える手段のひとつであるとも感じています。マーケティングやブランディングの一種じゃん!と一括りにして言えることかもしれませんが、現代社会へのオルタナティブなボクなりの表現なのではないか?とメタ認知して感じています。
いつもは30分程度で書くようにしているこのブログですが、今回はここまで書くのに結構時間かかった。しかしもっと明確に説明すべきだな。それこそビジュアルコミュニケーションでしょうから(笑)
Comments by daisuke kobayashi
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