四国徳島県に住む、DAISUKE KOBAYASHIです。

今日は先日、映画『SKIN(スキン)』を観たのでそれについての感想を書いてみます。

先ず、この映画は長編バージョン、短編バーションとありまして、ボクが完全にノックアウトされたのは短編バージョン。

長編と短編は扱っている題材は同じ(白人至上主義によって生まれる差別からの悲劇)なのですが、描き方は全く違います。

で、長編は観ているのが辛かったというかなんというか……あらすじは白人至上主義という名のただの犯罪者のクラブに育てられた主人公が、そのクラブに嫌気がさして抜けるために葛藤する物語を描いているのですが、「痛すぎるな〜」というのが率直な感想です。そして実話が元になっています。制作?配給?はA24。

で、何が辛かったというと、ボクも若い時に犯罪は起こさないけれど思想は左寄りの似たようなシーンに軽く足を踏み入れていたりしました。彼らは『反戦』と書かれたTシャツを着たり、ハーケンクロイツのピンを付けていたり……深く踏み入ることは全くなかったですし、当時から違和感しか感じなかったのでソッと自然と距離を置くことになるのですが、その時の当時の自分や彼らの痛々しさを思い出してしまい、なんだか辛かったのです。こうした経験って多分若い時には誰でもあるのかなと思っていますがどうなんでしょう?

一方短編はフィクションとなっており、白人至上主義者への報復というべきか?行く末が描かれています。20分とかなり短いながらも、映画としての見所が満載で、バッチリ伏線回収もされた内容となっており、扱っている内容が素晴らしい以上に映画としてのまとまりの素晴らしさを非常に感じたのです。

親子を軸に描いているところも素晴らしい。前に見た『イノセンツ』もそうですが、映画の中に子どもの思考が入るとグッと深みが出るんだなと感じましたね。

そして、もっと言えば『自分でも手の届く範囲のスケール感の映画』にも関わらず、脚本の出来の良さ次第でここまで表現出来るものかと、制作者視点としても完全にやられたのです。バジェット自体はおそらく大きくありません。ウン百万円ほどで制作出来るレベルかと思いますので、これぐらいの映画なら実は誰でも作れる時代になったということなのです。

監督は長編を作りたいがための予算集めとして短編を作ったと思われますが、ボクが断然短編の出来の良さに惹かれたのは、監督からしたらとても皮肉なことなのかもしれませんね。

兎にも角にも素晴らしい映画でした。ボクもこれぐらい素晴らしい普遍的に残る社会性を描いた映画を作ってみたいなと思っている次第です。

短編映画ってあまり観る機会がありませんでしたが、かなり現代的で良いですね。ボクが観てきた映画で多分最も短かったのは『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム!』の40分でしたが、20分ってのも全然アリなんですね。