はじめに
過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
前回#02ではIL-6について書きましたが、#03では健康を考える上で重要な役割を持つミトコンドリアについて、僕が学んでいることを書いていきたいと思います。
ちなみに、ヘルスラーニングジャーナルとは、僕が学んだ最新の健康・栄養に関する知識を整理し、記事として発信していくシリーズです。従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化している現在の流れを深掘りしながら進めています。
なぜ「ヘルスラーニングジャーナル」を書くのか?
健康に関する情報は日々アップデートされており、従来の「カロリー計算」「バランスの良い食事」だけではカバーしきれないほど、多くの研究が進んでいます。特に、個々の遺伝情報や腸内環境に基づいた「精密栄養学」などの新しい概念は、これからの健康管理に大きな影響と可能性を与える分野です。いわば未来です。
僕自身が最前列で学びながら、それを整理し、実践し、記事にまとめることで、読者の皆さんにも有益な情報を共有できればと考えているのです。
ではいってみましょう!
ミトコンドリアの歴史
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先ず、ミトコンドリアの歴史から。随分昔のことなので諸説あると思いますが、ミトコンドリアの起源は、アメリカの生物学者リン・マーギュリスの「内共生説」が広く受け入れられています。
この説は、ミトコンドリアは独立した細菌であり、異なる種類の細胞に取り込まれたけど、なぜか食べられずに共生を始めたというものです。
内共生説によれば、現在のミトコンドリアは、酸素呼吸を行う細菌と共生関係を築き、そこから進化した結果、細胞内のエネルギー源として欠かせない役割を果たすことになったとされています。この進化の関係は約20億年前に起こったと考えられています。
最初にミトコンドリアとして取り込まれた細菌は、酸素を使ってエネルギーを生産する能力を持っていたと考えられています。これにより、酸素が豊富な環境で生きる新しい細胞は、エネルギー生成が効率的に行えるようになり、進化に有利な立場を得ることができたのです。この共生関係が進化を経て、現代のミトコンドリアへと発展したのです。
僕はこのミトコンドリアが持つ歴史がとても愛らしく感じまして、ミトコンドリアに関する絵本を作りたいと思いました。実は娘が絵本が大好きでいつか自分で絵本を作れないかなと思っていまして、偶然にも人類が誕生したキッカケのようなモノを絵本に出来ないかなと考えていました。小さな細胞から徐々に進化をしていく物語。そうした内容を通じてポップに進化論を学べたら面白いなと感じたのです。
と、話がそれましたが、ミトコンドリアの進化の過程は、細胞のエネルギー生産や健康や病気の理解においても重要な鍵を握っているのです。
ミトコンドリアとは?
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ではミトコンドリアとはなにか?ミトコンドリアは細胞内に存在しており、主に細胞のエネルギーを生産する役割を担っています。通称「細胞のエネルギー工場」とも呼ばれ、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー分子を生成します。このATPは、細胞が様々な生命活動を行うために必要なエネルギー源です。
僕たちの身体は約37兆個の細胞でできていると言われていますが、それぞれの細胞の中にミトコンドリアは数百から数千個存在していまして、これらすべてを合わせると、なんと約10%の割合がミトコンドリアと言われています。
ですので、僕は体重が60kgなのでなんと約6kgもミトコンドリアが占めていることを考えると、このヘルスラーニングジャーナルのトピックとして早々に扱うのは合点がいくかと思います。
ミトコンドリアの主な役割とは?
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ミトコンドリアの主な役割は、ATPを生成することです。ATPは細胞内でエネルギーを生成する分子で、細胞の活動に必要なエネルギーを供給します。
ATPとは具体的に何?
このATPは、僕たちが呼吸をしたり、歩いたり、食べ物を消化したりするのに必要なエネルギーであり、身体を動かすために必要な燃料と言えます。そしてそのエネルギーの約95%をミトコンドリアが生成しているのです。
ATPの生成プロセスは、主にミトコンドリアの電子伝達系という反応(酸化的リン酸化)によって生成されます(解糖系やクエン酸回路などもある)。反応とは、ブドウ糖や脂肪酸が分解される際に発生するエネルギーを利用してATPを生成するのです。
電子伝達系とは?
では電子伝達系とは?電子伝達系とは、ミトコンドリア内で行われるエネルギー生産の最終段階であり、ATPを大量に生成する重要なプロセスです。これは、酸化的リン酸化とも呼ばれ、酸素を使ってATPを合成します。この過程において酸素が重要な役割を果たしています。
酸素がなければAPTは効率的に生成できません。だからこそヒトは酸素を体内にたっぷり取り入れる有酸素運動などが重要になってくるというロジックなのです。
ミトコンドリアの多様な役割
ATP生成だけではなくミトコンドリアは他にも、不要になった細胞を処理し、あたらしい細胞を生成する細胞のアポトーシス(細胞が計画的に自ら死ぬ過程のこと)や、筋肉や神経の働きに必要なカルシウムを適切に貯蔵庫としてや、体温を維持し、エネルギーを放出する熱産生や、免疫、性機能、生殖、電解質バランスなど多くの重要な体内機能に関与するステロイドホルモンの合成になど、様々な部分で働いてくれる存在なのです。
まとめ
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まとめますと、ミトコンドリアは細胞内のエネルギー工場で、主にATP(アデノシン三リン酸)を生成します。
ATPは細胞の活動に必要なエネルギー源であり、その約95%をミトコンドリアが作り出します。
ATP生成は主に電子伝達系を通じて行われ、酸素を使って効率的にエネルギーを生成します。
さらにミトコンドリアは細胞のアポトーシス(不要細胞の処理)、カルシウムの貯蔵、熱産生、免疫機能、ホルモン合成など、健康にとって重要な役割を担っています。
ミトコンドリアの働きは、エネルギー供給だけでなく、生命活動全般に欠かせないものなのです!
次回#04は、そのミトコンドリアを元気にする秘訣について書いていきます!
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Comments by daisuke kobayashi
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