過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
今回の記念すべき第一回目のヘルスラーニングジャーナルは、従来の栄養学から現在の精密栄養学について、僕が学んでいることを書いていきたいと思います。
ヘルスラーニングジャーナルとは、健康について学んでいる僕がアウトプットする場です。詳しくはこちらを読んでいただけたら概要を解っていただけるかと思います。
ではいってみましょう!
従来の栄養学との違い
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先ず現在、従来の一般的な栄養学に加え、分子栄養学、精密栄養学というモノがあります。
今回はこれらの栄養学の違いについて深堀りしていきたいと思いますが、先ず栄養学とは人間の健康維持や病気予防のために、食事や栄養素がどのように体に影響を与えるかを研究する学問です。1920年あたりに栄養士制度が出来たそうです。
そして古くからある従来の栄養学はカロリー、三大栄養素(炭水化物・タンパク質・脂質)、ビタミン・ミネラルの必要量を基にした、あくまでも食事のガイドラインであり、カロリー制限などの「食べ過ぎ」「塩分過多」「脂質制限」といった、ごく一般的な健康指導法と言えるかと思います。
おそらく日本にいる多くの栄養士さんは、こうした基本的な事を学び、資格を取り、例えば病院や給食センターなどに勤務しているかと思われますが、この手の栄養学と健康への理解や因果関係はかなり限定的と言えるかと思います。
そして分子栄養学について。ライナス・ポーリングという方が、オーソモレキュラーという概念を提唱し、分子栄養学がはじまったと言われています。
オーソモレキュラーとは、「適切な(Ortho)分子(Molecular)」という意味の言葉で、体内の生化学的バランスを、適切な栄養素の補給によって最適化し、健康を維持・回復することを目的とした栄養療法のことを指します。
そこから、栄養素が体内の細胞・分子レベルでどのように機能するかを科学的に解析する学問へと発展したのが分子栄養学と言えます。
なかでも分子栄養学を前進させたのが1990年からスタートした、ヒトゲノムプロジェクト。
ヒトゲノムプロジェクトとは、人間の全遺伝情報(ゲノム)を解読し、その配列を明らかにすることを目的とした国際的な研究プロジェクトです。
このプロジェクトによって、人間の遺伝子の全体像が明らかになり、医学・バイオテクノロジー・栄養学などの幅広い分野で革新が起こったと言われています。
僕はこのあたり、まだまだ理解ができない部分が多いので、書籍等で詳しく勉強したいと思っています。このあたりをすっ飛ばしてしまうと、重要な事を知らずに学習を進めてしまう事になりかねません。歴史をすっ飛ばすと逆に学ぶのに時間がかかってしまうんですよね。特にこのあたりは大きな転換期です。歴史って大事です。
で話を戻すと、従来の栄養学が、「トマトが血をサラサラにする」などといったフワッとした栄養学だったのに対し、遺伝子も含めトマトがどのような効果を個々にもたらすかを前提に考え、栄養学を通して健康を追求していくのが分子栄養学と言えるのではないでしょうか。
分子栄養学から精密栄養学
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2003年にヒトゲノムプロジェクトはほぼ完了し、その翌年の2004年にスイスで、『Journal of Nutrigenetics and Nutrigenomics』という学術誌が創刊。栄養と遺伝子の相互作用に関する最新の研究が掲載されており、これにより、栄養学の新領域が開拓されたそうです。
2022年にはアメリカ政府が精密栄養学に対し、1億ドル以上の研究資金を投入し更に加速。これによって個別の遺伝子、環境、ライフスタイルなどに合わせた精密栄養学のアプローチを推進させました。
こうして近年誕生した精密栄養学とは、分子栄養学を基にした栄養学であり、「個人の遺伝子・腸内細菌・代謝・生活環境に基づいて、最適な栄養介入を行う」 ことを目的とした学問です。
ですので、分子栄養学よりも更にパーソナライズ化することを可能にした栄養学ということが出来ます。
精密栄養学のアプローチ方法
では精密栄養学は具体的にどういったアプローチで健康を提供してくれるのでしょうか?
先ずは遺伝子の解析をした個々のデータ、腸内に生息する数十兆個の微生物(細菌、ウイルス、真菌、古細菌など)の集合体を指す、腸内フローラ、血液検査のデータなどを基にした栄養指導をします。
例えば、カフェインの代謝能力は各個人により違いがあります。遺伝子解析で「CYP1A2」という酵素の活性をチェックするとします。
カフェインの代謝が遅いタイプの人は、カフェインの摂取が心血管リスクを高める可能性があり、逆に代謝が速い人はカフェインを摂取しても問題なしといった答えを求めることができるアプローチなのが精密栄養学なのです。
腸内フローラであれば、ある遺伝子変異(例:乳糖不耐症に関連する遺伝子)の影響を受けている場合、乳製品の摂取が腸内フローラに悪影響を与える可能性があります。この場合、遺伝子情報を基に、乳製品を減らすか、乳糖を分解できるプロバイオティクスを摂取する提案ができます。
といった具合に、従来の栄養学とは全く次元の違うアプローチとも言うことができると思いますが、僕はこうした遺伝子解析をあわせた精密栄養学を深く学び、自身の健康、家族の健康、そして僕が得た知識や知見を頼りにしてくれる人たちに活用していきたいと考えているのです。
まだまだ浅はかな知識ですが、大きく成長したいと考えています!目指すはバイオロジカルデータアナリスト。遺伝子を読み解くプロフェッショナルです。
次回#02では、精密栄養学を考える上で重要視されている、IL-6(インターロイキン)について書いてみたいと思います。
👇️👇️ラーニングジャーナル記事はこちらにまとめています👇️👇️
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Comments by daisuke kobayashi
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