徳島県のクリエイター、DAISUKE KOBAYASHIです。
今回は最近観た映画たちについて書いてみたいと思います。
…というのも、映画を頻繁に観るようにしていまして…理由は知見が得られるから!なのですが、観すぎてもう何がなんだかって感じになってくるので、頭の整理がてら書いてみることにしたのです。
で、最近観た映画たちはこんな感じ。
『スキャナーズ』
『キル・チーム』
『複製された男』
『戦慄の絆』
『ヴィデオ・ドローム』
『イースタン・プロミス』
このタイトルたちを見てピンと来た方は完全に映画オタクと思われますが、そうです!
『ザ・フライ』でおなじみの鬼才監督デイヴィット・クローネンバーグと、インディペンデント系プロダクションA24(正確にはエンタメ会社)を中心に観まくっているのがボクのマイブーム。
さて、順にちょろっとずつ観た感想を書いていこうと思いますが…
スキャナーズ
先ず『スキャナーズ』。初見でしたがもう最高の名作でした(泣)
今まで全く観ようと思わなかった自分が恥ずかしくなるぐらい、ボクが大好きな映画でした。
端的に書くならサイキック・パワー系映画でして、漫画『AKIRA』にも影響を与えたのではないか?と言われている作品です。AKIRAの連載スタートは1982年、スキャナーズの制作は1981年ってことを考えるとかなり濃厚ですよね。
なぜそのパワーを持って生まれたのか?ってことをテーマに描かれています。SF要素が強くありながらも、後半にはサスペンス要素も強くなり、そして社会への皮肉もしっかりと描かれています。このあたりは完全にクローネンバーグ節ですね。そしてクローネンバーグ的なグロさもあり最高でした。
何度も観たい一本です。
ってことで、4Kリマスターとか何かしら購入したいと思うほどの作品ですね。
キル・チーム
次は『キル・チーム』。A24ってことで観てみました。
作業しながらの流し観でみましたが、実話を基にしたイラク戦争の現実を描いた映画。
正しいことをするために軍人を志願したのに現地に来たら……正義とは一体どこにあるのか?と、まぁ今までこの手のテーマの映画を何本観たことか?ってほどなので、特別な感情は特に湧かず…
20代の頃にブライアン・デ・パルマ監督の、同じく実話を基にしたショーン・ペン主演のベトナム戦争映画『カジュアリティーズ』という胸糞悪い悲惨な映画がありましたが、感情の揺さぶられ方はそれと比べたらもう雲泥の差という感じでしょうか。
複製された男
次は『ブレード・ランナー2049』『ボーダー・ライン』のドゥニ・ビルヌーブ監督の『複製された男』。こちらもA24がらみ。
これは観ながら「なんだこの訳わかんねー映画は?」と思いながらも、ジェイク・ギレンホールがとても好きなためなんとなく辛抱しながら観終えましたが、ラストも蜘蛛が登場して完全に意味不明で「は?」ってなった映画です。
まぁけど冷静に考えるとなんてことのない、男の浮気のお話を芸術的にややこしくしているだけの映画だったように感じます。
そしてそのややこしさが癖になりそうな映画でもありまして、もう一回観てみようかなーなんて思ってしまう映画でもあります。
メタファーとして蜘蛛や母親の言葉など、ストーリー攻略のための伏線がはられている映画でもあります。
浮気の話なので攻略する価値は一ミリもありませんが(笑)、ドゥニ・ビルヌーブさすが!すげーってなりますね。
こうした知見を得るためにボクは日々映画を観ていると言っても過言ではありません。
因みに邦題は『複製された男』ですが、制作された国では『Enemy』(敵)なのでスタート地点での所感が随分と違ってきます。
『ボーダー・ライン』という邦題もそうですが、制作された国では『Sicario』で殺し屋という意味なので、全く所感が変わってきます。
この映画を観たことのある方は理解出来ると思いますが、誰というかどこをメインに書いているかすら変わってきますので、こうした邦題の弊害なんとかならんのかなと思います。
戦慄の絆
次はデイヴィッド・クローネンバーグ監督の『戦慄の絆』。
ジェレミー・アイアンズが双子役をしているのが印象的で、終始異様な雰囲気が漂っているボクの苦手なタイプの映画でした。
赤をテーマカラーとして扱っていますが、そうした部分もボクは結構苦手。
似たような雰囲気の映画に『ザ・セル』や『ディアボロス』なんかを思い出しましたが、それらも苦手なんです。
なので物語も何を意味しているのかも全然理解出来ませんでした。
しかし、名作感はひしひしと伝わってくるので、この映画を理解するところまで自分の知見を持っていけたらなんて思っています。
要は、この映画を理解できないということは、ボクがまだまだ青い証拠なのです。というか一生ボクはこの手の「赤い映画」は理解が出来ないのかもしれません。
でも頑張ってもう一回観てみようと思います。
ヴィデオ・ドローム
こちらもクローネンバーグ監督作品のヴィデオ・ドローム。一本の殺人ビデオテープを観たことをキッカケに、狂気の世界へと引きずこまれ、幻覚を見るようになって……って感じのSFホラー。
主演は『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のジェームズ・ウッズ。こちらの映画はデ・ニーロとのタッグで一度観たら忘れられなくなる素晴らしい演技でしたね。
いや~気持ちわりい特殊メイク(内臓系や固いものを柔らかく見せる演出)や、主役がどんどん狂っていく姿がなんともクローネンバーグ節で、面白いながらも非常に気持ち悪い映画でした。
そして「あれ?これブロンディのボーカルじゃねー?」と思って調べてみるとやっぱりそうで、なんとブロンディのデボラ・ハリーも出演していました。俳優業もやっていたんですね。
しかしこの映画のテーマは何を揶揄しているのかまでは理解が出来ませんでしたので、もう一度観て理解してみたいところではありますね。
確実に何かを揶揄している様子が伺えたため。
イースタン・プロミス
最後に、この中でイースタン・プロミスだけは観るのは3回目かな?
ヴィゴ・モーテンセンが最強にかっこよく、すごく好きな映画でして、定期的に何度も観たくなる一本。ロンドンを舞台にしたロシア系マフィア映画です。
ヴァンサン・カッセルのクソ息子っぷりも最高で、クローネンバーグの中でもきちんとストーリーがあり、非常に分かりやすい名作です。タイプが違いすぎるのできっと脚本を書いていないのでしょうね。
いわゆるクローネンバーグ的な表現はほぼ無いのですが(無いことはない)、カメラワークや構図などはクローネンバーグっぽさがキチンとあり、クローネンバーグ好きにはそうした部分も楽しめる要素かなーなんて思います。
ヴィゴ・モーテンセンが裸で戦うシーンは「!」です。
…って感じの映画たちを最近は観ています。
もうほぼクローネンバーグですが、今はA24にハマっているため、A24を掘っていこうと思っています。
そして最近の映画はやたらと長い傾向がありますが、今回観た映画たちのように90分ぐらいに収めてくれた方が観やすくて良いなと思うのはボクだけでしょうか?
ノーラン作品とスコセッシ作品を除いては。
Comments by daisuke kobayashi
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