こんにちは。
映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。先日、剣山という所に行ってきました。徳島県が誇る標高1955mの日本百名山にも選ばれている山です。
以前から行ってみたかった山で、北欧のバッグブランドGASTON LUGA(ガストン・ルーガ)からコラボレーション依頼が来ていましたので、それの撮影ついでと、DJIのMavic Air2を思いっきりぶっ飛ばしたかったのと、台風明けで天気もスッキリしていそうだったというのと、この日は特にやることも無いし、妻も休みだしってことで、色々な要因が重なったので行ってきました。
で、今回は登山のお話ではなく、ボクがフルサイズカメラを使う際に溺愛している単焦点レンズ『Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 』を使って、GASTON LUGAのコラボ映像を制作してきまして、その映像をフィルムっぽく作品を仕上げてみましたので、そんな映像制作についての紹介記事です。(なんだかややこしくてすいません……)
先ずはこちらを観て頂けたらと。海と山に行って映像を撮ってきました。
ここ最近は何本かフィルムっぽい映像を作っていまして、今回もそんな仕上がりにしてみました。
フィルムっぽい仕上がりにする場合は、レンズは通常はロシア製オールドレンズ『Helios44-2』を使って制作するのですが、今回は気分的にと、撮りたい作品にオートフォーカスがあった方が良いということと、後は写真も撮っておきたいなということもあり、単焦点レンズ『Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 』をチョイスしてみました。
色や雰囲気を合わせるためにレンズは一本
基本的にボクは何か映像作品を作る時には、レンズは一本で完結出来ればと思って制作をするようにしています。
長編映画や10分にも及ぶドキュメンタリー映像を制作するとなると話は別になってしまいますが、今回作ったような短い映像であれば、レンズが一本の方が現場でも編集時にも何かと迷いが少なくなるため、すべてにおいてスムーズに制作を進めていくことが可能になるのです。
特に今回使った単焦点レンズ『Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA 』の場合、ボクが普段よく使っているレンズとは全く色の出方が違うため、編集時に困ることが多いですし、何よりレンズの解像度によって雰囲気が全く違ってくるため、同じ場所で撮影していても『あれ?こんなに雰囲気変わっちゃうの??なんか変だな……』となってしまうことも多いのです。
なので、時には『広角で撮っておきたいけど……』となる場合でも、画角を犠牲にしてでも統一感をもたせるために、レンズは一本に絞っておくことも多いのです。
もし、日々レンズ選びに迷ってしまっている方がいたら、是非一度一本に絞ってみて、映像制作にチャレンジしてみてください。
ソニー SONY 単焦点レンズ Sonnar T* FE 55mm F1.8 ZA Eマウント35mmフルサイズ対応 SEL55F18Z
ジンバルは使わない派
映像制作者であればジンバルを多用することも多いと思いますが、ボクはあまりジンバルは使わないことが多いです。
先ずセッティングが面倒くさい(笑)
ボクの撮影スタイルの一つとして、いつでもRECボタンを回せるようにしておくことが大前提としてあります。
『ここ撮っておきたいのにまだカメラがセッティング出来ていない……』となってしまう状況は、映像を制作している人間であれば誰でもあるはずですが、ボクは出来る限りそうした状況を作りたくはないのです。
そのために、いつでも手軽に撮影出来るスタイルとして、ミラーレス一眼カメラにコンパクトなレンズ一本、外部マイクという非常にシンプルかつ最強のセッティングで、いつでも撮影出来るようにしているのです。
また、ジンバルで撮られたフッテージがそこまで好きではないというのも根本にあります。
映画監督にポール・グリーングラスという方がいまして、有名な映画だとボーン・シリーズを手掛けているのですが、彼の撮る作品は手ブレが非常に多い。
撮影監督の仕業かもしれませんが、ボーン・シリーズの手ブレ感は半端ではありません。ブレ過ぎだろというぐらいにブレています(笑)
そのためいわゆる映像美は削がれますが、現場での臨場感が感じられ、ドキドキする演出となっているのです。
ボーン・スプレマシー、観たことがない方は一度是非!
ボクはそうしたリアルを感じられる演出が非常に好きなため、ジンバルをあまり使わないという手段を選ぶようにしています。
もちろん、ジンバルを使った方が絶対に良い演出もあるので、今後はもう少しやる気を出して、スムーズな映像演出も心がけようかとは思っています。
ドローンでメリハリをつける
上記に書いた『レンズは一本』『ジンバルは使わない』といった、自身の作風というか個性を出せるように、映像制作時には常に心がけているのですが、実はドローンでメリハリを付けるための演出だったりもするのです。
ドローンを使ったことがある方ならお分かり頂けると思いますが、大概のドローンにはジンバルと、フルサイズ換算で約20mm以下の超広角気味のレンズが搭載されています。
なのでドローンを飛ばして風景全体カットをワンカット挿入するだけでも、驚くほど映像が締まってメリハリを付けることが出来るのです。
今回制作した映像が正にそんな感じで、単焦点55mmのレンズ一本、ジンバルなしでは少々無理のあるシチュエーションですが、ドローンカットを入れることで、一気にメリハリを出すことが出来、2分30秒ほどの映像ですが最後まで一気に観ることが可能になるのです。
ドローン歴6年目になりましたが、コストパフォーマンス最強の『Mavic Air2』は超オススメです!
終わりに
…と、書いておきながらも、近々ジンバルを極めたいなと思っていますので、少し練習を兼ねた映像制作を行っていこうかなと思っています。
ボクは限りなくジンバルは使わない派ですが、やはりジンバルが無いと困るシチュエーションも多いモノです。
例えばMVなどで一人のアーティストを撮影する場合に、POIでのカットは絶対にあった方が良いカットです。
なので、ジンバルオンリーで撮った映像、もしくはジンバル有り、ジンバル無しのメリハリ感のある映像など、色々と制作していきたいなと思っていますね。
皆さんも『レンズ一本』とか『ジンバルなし』とか『フィルムっぽい』とか、様々な縛りを設けて映像制作に取り組んでみると面白いと思いますよ。