過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

🧬 はじめに 🧬

#09ではマグネシウムについて。おそらく健康とマグネシウムがどのように関係しているかを知っている方は少ないと思いますが、近年ではマグネシウムをしっかり摂っていると、がんを発症しにくいという研究結果が出ているそうです。今回はそんなマグネシウムについてやマグネシウムの摂り方などを解説してきたいと思います。

💁 「ヘルスラーニングジャーナル」とは?

ちなみに、ヘルスラーニングジャーナルとは、40代の僕が学んだ最新の健康・栄養に関する知識を整理し、記事化して発信していくシリーズです。

従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化している現在の流れを深掘りしながら進めています。

💁 なぜ「ヘルスラーニングジャーナル」を書くのか?

健康に関する情報は日々アップデートされており、従来の「カロリー計算」「バランスの良い食事」ではカバーしきれないほど、多くの研究が進んでいます。特に個々の遺伝情報や腸内環境に基づいた「精密栄養学」などの新しい概念では、これからの健康管理に大きな影響と可能性を与える分野です。いわば人類の健康のためのあたらしい未来です。

僕自身が最前列で学びながら、それを整理し、実践し、記事にまとめることで、読者の皆さんにも有益な情報を共有できればと考えているのです。

そして、精密栄養学を学び、取り入れることで、ウイルス対策や毎日なんだかパッとしないブレインフォグ、倦怠感、片頭痛、謎の疲れ、眠気などといった、病院に行っても「異常なし」と診断されてしまうような症状を改善できる可能性を、僕は持っていると感じています。

ぜひ、この機会に皆さんも僕と一緒に学びましょう!ではいってみましょう!

🧬 マグネシウムって何? 🧬

まず、マグネシウム(Mg)は、人体にとって不可欠な必須ミネラルの一つであり、600種類以上の酵素反応に関与しています。これは体内でのエネルギー生成や、神経・筋肉の働き、血糖コントロール、タンパク質合成などの生命維持活動に直結する重要な役割を果たしています。

酵素反応とは、体の中で化学反応を進めるエンジンのような役割を果たしており、酵素がしっかり働かないと、エネルギーの生成や老廃物の排出、細胞の修復がうまくできなくなってしまいます。

そのため、マグネシウム不足は体の中で様々なトラブルを引き起こし、疲労感や慢性疾患の原因となってしまうのです。

ちなみに、マグネシウム以外の主要ミネラルは、カルシウムやカリウム、ナトリウム、鉄、亜鉛などがあります。カルシウムは骨や歯を形成し、カリウムやナトリウムは体液バランスや神経伝達に関与します。鉄は血液中の酸素運搬に不可欠で、亜鉛は免疫機能や酵素の活性を支えます。これらのミネラルは体内で合成できないため、食事から適切に摂取することが重要です。不足すると健康に悪影響を及ぼすため、バランスの取れた摂取が求められます。

🧬 マグネシウムでがん予防 🧬

最新の研究によると、マグネシウムが不足するとガン細胞が増殖しやすくなることがわかってきました。つまり、ガン予防のためにはマグネシウムをしっかり摂ることが大切なのです。

💁 マグネシウム不足でのがんのリスク

先ず、マグネシウムが不足すると、細胞のエネルギー工場であるミトコンドリアの機能が低下し、その結果として活性酸素の生成が増加します。

活性酸素が過剰になると、細胞内のバランスが崩れ、DNAが損傷を受けやすくなります。このDNAの損傷が蓄積すると、細胞の正常な制御が失われ、がん細胞の発生を促進する要因となってしまうのです。

また、マグネシウムには炎症を抑える働きがありますが、不足すると体内で炎症を引き起こすサイトカイン(炎症性分子)が過剰に分泌されてしまいます。この状態が続くと慢性的な炎症が発生し、細胞がダメージを受けやすくなります。

特に、大腸や肝臓などの組織では炎症ががんの発生や増殖を促進する要因となり、大腸がんや肝がんのリスクが高まると考えられています。

マグネシウムは、DNAを修復する酵素の働きを活性化する重要な役割を担っています。しかし、マグネシウムが不足すると、この修復機能が低下し、細胞内で発生した遺伝子のエラーが蓄積しやすくなります。このような異常が蓄積すると、細胞の正常な制御が失われ、がん細胞の形成へとつながるリスクが高まるのです。

マグネシウムは、がん細胞を攻撃する免疫細胞であるT細胞の活性化に関与し、体の防御システムを支えています。しかし、マグネシウムが不足するとT細胞の働きが低下し、免疫力が弱まってしまいます。その結果、がん細胞が排除されにくくなり、増殖を許してしまう可能性が高まります。

🧬 マグネシウムと特定のがんの関連性 🧬

💁 大腸がん

  • マグネシウム摂取量が多い人は大腸がんリスクが低いという研究結果がある
  • 腸内の炎症を抑え、がん細胞の成長を抑制する可能性がある

スウェーデンの研究では、40歳から75歳の女性6万人を対象に14年間追跡調査を行った結果、マグネシウムの摂取量が多いほど、結腸がんや直腸がんのリスクが低下することが分かりました。

日本でも同様の研究が行われており、約8万7000人の男女を10年間追跡調査した結果、特に男性において、マグネシウムの摂取量が多いほど大腸がんのリスクが低くなることが確認されています。

飲酒習慣のある人や痩せ型の人ほど予防効果が高かったという結果も出ています。

僕は遺伝子的にTT型で大腸がんになりやすいリスクがあるため、こうした情報を参考に対策を講じたいと思います。

💁 膵臓がん

  • マグネシウムの摂取量が低いと膵臓がんの発生リスクが最大1.76倍に増加することが研究で示唆されている
  • 炎症・酸化ストレスが膵臓がんの原因となるが、マグネシウムはこれらを抑制する作用がある
  • マグネシウム不足は糖代謝にも影響し、インスリン抵抗性の増加が膵臓がんリスクを高める可能性がある

次に膵臓がん(すいぞう)との関係は、膵臓がんは非常に予後が悪く、生存率が5年低い難治性のがんとして知られています。

50歳から76歳の約6万人を対象にした8年間の追跡調査では、マグネシウムの摂取量が推奨量の75%未満だと、膵臓がんのリスクが著しく高まることが示されています。

1日あたりの摂取量が推奨量よりも100mg少ないと、24%も発がんリスクが上昇してしまうのです。

💁 乳がん

  • 乳がん患者は血中マグネシウム濃度が低いことが多いとされる。
  • マグネシウムはエストロゲンの代謝に関与し、不足するとホルモンバランスが崩れ、がんのリスクが増加する可能性。

乳がんについてもマグネシウムの予防効果が確認されています。乳がん患者11170人を対象にした研究では、マグネシウムをしっかり取っているグループの方が、乳がんによる死亡率が低いことが示されました。

この結果は、マグネシウムが細胞のDNAを安定化させ、ガン細胞の異常な増殖を抑えているためと考えられています。

🧬 マグネシウムの摂り方 🧬

では どのようにしてマグネシウムを摂れば良いのでしょうか。マグネシウムは、私たちの体の機能を支える大切なミネラルですが、現代の食生活では不足しがちです。

がん予防や健康維持のためにも、毎日しっかりと補給することが重要です。食事からの摂取が基本ですが、不足しやすい場合はサプリメントや飲み物、さらには皮膚からの吸収などを組み合わせて効率よく取り入れましょう。

💁 食事から摂る(基本はこれ!)

マグネシウムは、自然の食品に多く含まれており、特にナッツ類、海藻、魚介類、大豆製品、玄米やオートミールといった全粒穀物に豊富に含まれています。例えば、アーモンドやカシューナッツは手軽に食べられるおやつとして最適ですし、ひじきやわかめは味噌汁やサラダに加えることで簡単に摂取できます。

納豆や豆腐などの大豆製品も、日常的に取り入れやすい食品です。白米を玄米に置き換えたり、普通のパンではなく全粒粉のパンを選ぶことも、マグネシウムの摂取量を増やすポイントになります。

ちなみに、加工食品はマグネシウムが少なく、摂取するとミネラルバランスが崩れる可能性があるため、出来るだけ新鮮な食品を選び、バランスのとれた食事を心がけることも大切です。

マグネシウム不足は初期段階では気づきにくいのですが、疲労感や倦怠感、筋肉などの痙攣、不安感や集中力の低下、不整脈や高血圧などの症状が出てきたら注意が必要です。

これらの症状は日常生活の中で何となく調子が悪いと感じるレベルから、深刻な病気のリスクに至るまで幅広い影響を及ぼします。

現在44歳の僕は、まさにマグネシウム不足なんじゃないかと思うことも多々ありまして、最近では アーモンドなどを食べてマグネシウムを摂るように心がけています。

💁 サプリメントで補う(不足が気になる場合)

食事から十分な量を摂れない場合や、特にマグネシウムが必要な人はサプリメントを活用するのも一つの方法です。ただし、マグネシウムの種類によって吸収率が異なるため、選び方には注意が必要です。

例えば、グリシン酸マグネシウムは吸収率が高く、リラックス効果や睡眠の質の向上にも役立ちます。また、クエン酸マグネシウムは消化吸収が良く、便秘解消にも効果的です。塩化マグネシウムは「にがり」として知られ、水に溶かして摂取する方法もあります。

一方で、酸化マグネシウムは吸収率が低く、主に便秘薬として使用されるため、日常的なマグネシウム補給には適していません。サプリメントを摂る際は、過剰摂取にも注意が必要で、1日350mgを超えないようにするのが望ましいです。

ちなみに僕は八重山クロレラでマグネシウムを摂るように心がけています。

🧬 まとめ 🧬

まとめますと、マグネシウムは人体に必須のミネラルで、600以上の酵素反応に関与し、エネルギー生成やDNA修復、免疫機能を支えます。不足すると酸化ストレスが増加し、DNA損傷や慢性炎症を引き起こし、がん細胞の発生を促進します。特に大腸がんや膵臓がん、乳がんのリスクが上昇すると報告されています。

マグネシウムを摂取するには、ナッツ、海藻、玄米、大豆製品、魚介類を積極的に食べるのが理想的です。不足時は、吸収率の高いグリシン酸マグネシウムやクエン酸マグネシウムのサプリで補うのも有効です。日々の食生活で意識的に取り入れ、健康維持とがん予防に役立てましょう。

#10では、血糖値のコントロールについて書いてきたいと思います。

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