はじめに
過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。
#06では、そもそも糖質を摂ることって駄目なの?なぜ駄目なの?といった疑問が、#01から書いてきたことを改めて読み返してみると浮かんでくるように感じます。そうした疑問の答えとして今回は記事を書いてみたいと思います。
人類が糖質を摂るようになった背景と歴史、それがどのようにして現代では当たり前のようになり、そして糖質中心のライフスタイルがなぜ良くないのかを紐解き書いてきたいと思います。
これは非常に根深い問題だと感じているため、どこまで説明できるか分かりませんが、できる限り分かりやすく書いていけたらと思っています。
ちなみに、ヘルスラーニングジャーナルとは、40代の僕が学んだ最新の健康・栄養に関する知識を整理し、記事化して発信していくシリーズです。
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従来の栄養学から分子栄養学、そして精密栄養学へと進化している現在の流れを深掘りしながら進めています。
なぜ「ヘルスラーニングジャーナル」を書くのか?
健康に関する情報は日々アップデートされており、従来の「カロリー計算」「バランスの良い食事」ではカバーしきれないほど、多くの研究が進んでいます。特に個々の遺伝情報や腸内環境に基づいた「精密栄養学」などの新しい概念では、これからの健康管理に大きな影響と可能性を与える分野です。いわば人類の健康のためのあたらしい未来です。
僕自身が最前列で学びながら、それを整理し、実践し、記事にまとめることで、読者の皆さんにも有益な情報を共有できればと考えているのです。
そして、精密栄養学を学び、取り入れることで、ウイルス対策や毎日なんだかパッとしないブレインフォグ、倦怠感、片頭痛、謎の疲れ、眠気などといった、病院に行っても「異常なし」と診断されてしまうような症状を改善できる可能性を、僕は持っていると感じています。
ぜひ、この機会に皆さんも僕と一緒に学びましょう!ではいってみましょう!
なぜ人々は糖質中心のライフスタイルになったのか?
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なぜ人々は糖質中心のライフスタイルを送るようになったのか?おかしなことにヒトの体の構造を考えると、糖質中心の食生活は生理的に最適とは言えないにもかかわらず、現代社会では糖質が主食として定着しています。これには歴史的・経済的・文化的・産業的な要因が絡んでいます。
歴史的背景:農業革命による糖質中心の食文化
約1万年前の農業革命以前、ヒトは狩猟採集生活をしており、主なエネルギー源は脂質とタンパク質でした。しかし農業が始まり、大量に生産できる穀物(米・小麦・トウモロコシ)が食の中心となりました。
では、なぜ穀物(糖質)が主食になったのか?それは、安定した食糧供給が可能であること(狩猟は不確実、植物は保存しにくいが、穀物は保存可能)、短期間で大量生産できること(肉や魚よりも生産効率が良い)、支配階級にとって都合が良かったこと(労働力の安定確保・人口増加)が理由として考えられます。
この結果、世界中で「主食=糖質(米・パン・パスタ)」という文化が根付くことになったのです。
近代の産業革命と食品産業の影響
工業化により精製糖質が普及します。19世紀の産業革命以降、食品の大量生産が可能になり、精製された砂糖、小麦粉、白米が広まり、血糖値を急激に上げる食品が増加することになります。そして超加工食品(UPF)が登場し、糖質依存の食習慣がさらに加速することとなります。
これにより「糖質を頻繁に摂ることが当たり前」となったのです。ちなみにUPFとは食物の原型をとどめていない加工食品です。インスタントラーメンやスナック菓子、ソーセージなどなど、現代では皆さんが当たり前のように食べている食べ物を指します。
経済的な要因:糖質は「安価でエネルギー効率が良い」
糖質(米・パン・パスタ・砂糖)は、肉・魚・ナッツより安価で、低コストでエネルギーを確保できるため、貧困層にも普及しやすいのです。ですので、各企業は利益を優先し、糖質主体の加工食品を大量生産をします。
これにより、「安くて手軽に食べられる食品=糖質中心」という状況が生まれました。これは現代においても全く変わりのない構図です。というよりも、より加速しているのが現代と言えるのではないでしょうか??
糖質依存のメカニズム:脳の報酬系と食品産業
糖質はドーパミンを刺激し、依存性、中毒性があります。ですので、食品業界は食べたくなる超加工食品(UPF)をより開発し、糖質依存を加速させることになります。結果として、「糖質を摂らないと落ち着かない」「すぐに空腹を感じる」というライフスタイルが定着することとなります。
ここは身に覚えがある方も多いのではないでしょうか?僕自身も原体験として糖質を激しく摂った次の日はお腹が空いて仕方がないことが多々ありましたが、いつからか「あ、これは糖質を摂りすぎているせいでお腹が空くんだ…」と気がつき、糖質を意識的に減らしてみると、なんと!お腹が減ることは減り、現在は1日2食の食生活を送るようになりました。
ただ、直近だと糖質をやたら摂ってしまっていたのでお腹が空いて仕方がありません!これはいわゆる糖中毒ですので、毒が抜けるまでは耐えるしかありません!
健康指導・栄養学の誤解
1970年代以降、「低脂肪・高炭水化物」の食事が推奨されました。「脂質=悪」といった誤った概念が広まり、糖質を主体とした食事がさらに一般化することとなります。しかし、近年では「糖質の過剰摂取が肥満や糖尿病の原因である」ことが明らかになりつつありまして、ここがエネルギー源は糖質ではなくケトン体を優位にすることの有効性を考えることが出来ます。
糖質中心の食生活と現代病:「異常なし」と言われる不調の背景
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現代の食生活は糖質中心に偏っており、それがさまざまな健康問題の原因となっている可能性が高いです。しかし、病院の検査では「異常なし」と診断されることが多く、その結果、多くの人が「なんとなく調子が悪いが、原因がわからない」と感じているように思います。それは僕とて例外ではありません。ですのでこうして記事コンテンツを書きながら学んでいるのです!
この背景には、糖質代謝と体内のエネルギーシステムに関する根本的な問題が存在すると感じています。
糖質中心の食生活がもたらす問題
血糖値の乱高下と慢性炎症
糖質を過剰に摂取すると、血糖値の急上昇と急降下が頻繁に発生します。これにより、以下のような問題が引き起こされます。
- インスリンの過剰分泌 → 糖尿病予備軍
- 低血糖状態 → 倦怠感・集中力低下・イライラ
- 炎症促進 → 慢性的な炎症が体内に広がる
エビデンスとしては、アメリカ糖尿病学会(ADA)の研究では、血糖値の乱高下が炎症性サイトカイン(IL-6、TNF-α)を増加させ、慢性炎症を引き起こすことが示されています(Hotamisligil et al., 2006)。
ミトコンドリア機能の低下
糖質中心の食生活は、細胞のエネルギー生産の主要システムであるミトコンドリアの働きを低下させます。ミトコンドリアは、脂質をエネルギーとして活用する能力を持っているため、糖質ばかり摂取していると脂質代謝が弱まり、エネルギー不足や疲労感が生じます。
- 糖質中心の食生活 → ミトコンドリアのストレス増加
- ATPが効率よく作られない → 慢性疲労、脳の働きの低下
エビデンスとしては、ハーバード大学の研究では、糖質過剰摂取がミトコンドリアの酸化ストレスを増加させ、細胞機能を低下させることが示されています(Wallace, 2005)。
糖質依存によるホルモンバランスの乱れ
糖質中心の食生活は、ホルモンのバランスにも影響を与えます。
- コルチゾールの上昇 → 交感神経優位(慢性ストレス状態)
- レプチン抵抗性 → 満腹感を感じにくくなり、過食につながる
- セロトニン低下 → 精神不安定、うつ症状のリスク増加
エビデンスとしては、オックスフォード大学の研究によると、糖質摂取の増加が脳内のセロトニン分泌を減少させ、うつ症状のリスクを高めることが報告されています(Wurtman, 1995)。
これらは病院では「異常なし」となる?
糖質中心の食生活がもたらす健康問題は、従来の血液検査や健康診断では検出しにくいことが問題です。
現代医療の「異常なし」の基準が問題
- 血糖値の基準値(70~140mg/dL)は食後の急上昇や低血糖の影響を見落としやすい
- 空腹時血糖値は正常でも、食後高血糖(隠れ糖尿病)が存在する場合がある
- HbA1c(長期血糖管理の指標)が6.0%未満でも、インスリン抵抗性が進んでいるケースがある
エビデンスは、「正常範囲内」の血糖値でも、食後高血糖(隠れ糖尿病)が心血管疾患リスクを2倍以上に増加させるという研究結果があります(Gerstein et al., 2012)。
代謝の異常は「病気」ではなく「不調」として扱われる
- 糖質過多の影響は「病気」ではなく、「生活習慣の問題」とみなされやすい
- 「異常なし」=「病気でない」 ではなく、「検査では見えない問題がある」可能性がある
- 例えば、疲労感や頭痛、集中力低下は血液検査では異常として現れない
エビデンスは、慢性疲労症候群(CFS)は糖代謝異常と関連があるが、従来の検査では診断が難しいと報告されています(Naviaux et al., 2016)。
では、糖質中心のライフスタイルは「いびつ」なのか?
結論として、ヒトの体の仕組みを考えると、糖質依存の現代の食生活は不自然といえます。
ヒトの体の本来の仕組みは、糖質は緊急時のエネルギー源(一時的な補給には適しているが、持続力がない)であり、脂質は長時間持続するエネルギー源(本来は体脂肪を燃焼させるシステムが備わっている)です。ということは、糖質依存の食生活では、エネルギーが持続しにくく、血糖値の乱高下が起こるのです。
では、どうすればいいのか?と考えると、 糖質の摂取を適度に減らし、脂質やタンパク質中心の食事にシフトするべきでしょうし、超加工食品(UPF)を食べるのは避け、原型の残っている自然な食品・食料を選び、糖質の摂取をコントロールしながらケトン体や脂肪酸をエネルギーとして活用するのがヒトとして自然なのではないでしょうか。
そうすることで、謎の体調不調や現代病などへの対策をはじめて講じることができるのではないかと、僕は感じるのです。
まとめ
まとめますと、糖質中心のライフスタイルは、実は歴史的・経済的・産業的に作られたものなのです!資本主義の賜物と言っても過言ではありません。そして、農業革命、食品産業、経済的要因によって「糖質=主食」が定着しました。しかし、ヒトの体の構造を考えれば、「糖質依存」は本来の生理的バランスとは異なります。糖質の摂取を減らし、脂質とタンパク質をエネルギー源にすることで、本来の代謝システムを活かせるのです。
つまり!糖質中心のライフスタイルは歴史的・経済的な産物であり、人間の体にとって最適とは限らないということです。ですので、現代の食生活を見直し、本来のエネルギー代謝に戻ることが、健康への第一歩となることはテクノロジーの進化により研究が進み、それが明るみになってきているのです。
僕はそうしたテクノロジーの進化によって見えた光に希望と未来を感じていまして、こうして記事化して発信をしている次第なのです。
そして健康について学んでいくと、驚くことにまるで社会の縮図が見えてきたこともありまして、そうした現代社会の闇と光と絡めて今後発信をしていきたいと思いました。
#07は冬には絶対に必須のビタミンDについて書いていきたいと思います!
まだまだ序章です。続きます!
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Comments by daisuke kobayashi
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