徳島県で映像・写真・執筆などのクリエイティブ業を営んでおります、DAISUKE KOBAYASHIです🎞
僕は映画が非常に好きです。僕の映画原体験といえば忘れもしない、16歳の高校生の夏休みに夜中テレビでやっていた『パルプ・フィクション』と、ビデオテープで観た『トレインスポッティング』に衝撃を受けたことなのですが、その時は”映画”というよりも、それら作品の持っている”世界観”みたいなものに、ただ単に惹かれただけでした。
なので、本当の意味で映画にハマったのは20代になってから。ハマった理由こそ全く覚えていませんが、気がつけば20代の頃は映画を観まくる日々を送ってきまして、近所のレンタルビデオ屋さんで毎週DVD5本をなにかしら借りてきてひたすら観ていた…そんな時期が長くに渡ってありました。
次の日なにも予定がない時は朝まで3本立てなど、非常に楽しい時間を送っていました。今まで観た映画の本数は数えたことがないので全く知る余地もないのですが、気に入った映画を繰り返し観ることから本数自体は少ないと感じてまして、多分最低1000本から多く見積もってもせいぜい2000本程度ぐらいといった程度でしょうか?
それから20年近くの月日が経とうとしていまして、まさか自分が映像を作る側の人間になるとは全く想像していませんでしたが、ただその一方で僕が今映像を作っている、もしくは”作れている”のはそうした原体験や映画にハマった20代があったからこそとも感じています。
さて本題。僕は先に出た『パルプ・フィクション』と『トレインスポッティング』、そしてヴィンセント・ギャロの『バッファロー66』のようなミニシアター系サブカル映画に非常に影響を受けている一方で、ハリウッド超大作系も非常に好きだったりするんです。
なかでもリドリー・スコット監督が非常に好きでして、特に79年に『エイリアン』、82年の『ブレードランナー』の流れから、そこから30年近くの時を経て2012年の『プロメテウス』で前日譚として還ってくる”アノ感じ”は胸熱以外の何物でもなく、なんとも堪らない気持ちになるのです。
こちらはプロメテウス公開に合わせて用意された特別映像で、アンドロイドを造ったピーター・ウェイランドCEO(ガイ・ピアース)によるTEDトーク。
この映像なんかもう最高じゃないですか!2024年現在見ても全く古くないどころか寧ろ時代感が非常に近い!
繰り返し言っておくけどこれ、2012年の公開に合わせて制作されているので、この映像自体は2011年、下手したら2010年時に制作されているので、驚くほど近未来を予測していることがご理解いただけると思います。
そしてこれを本編に入れないセンスと言ったらありません。入れた方がプロメテウスが描きたい事が視聴者に断然理解してもらえるはずですが(冒頭に持ってきても良いフッテージとすら思うが)、それを敢えて入れない事で本編のミステリー要素を掻き立てているのです。狙ってか、たまたまか解りかねますが。
デヴィッドが『アラビアのロレンス』を観て、何かしら”感じている”様子は「?」であると同時に堪りませんでしたが、ピーター・ウェイランドの意思としての流れがあったのか!と新しい発見にもなったりするのです。要はエイリアンという映画は、エイリアンというクリーチャーの存在によるホラー映画といった端的要素ではなく、バックグラウンドの設定が非常に複雑かつ深いのです。
そんなリドリー・スコットが生んだと言っても過言ではない、エイリアンの新作『エイリアン:ロムルス』が先日劇場公開された事で、僕は改めてエイリアン熱が発症しており、エイリアンについて書いてみたくなってしまった!というわけです。
因みに今作の監督はリドリー・スコットではなく『ドント・ブリーズ』のフェデ・アルバレス監督。リドリー・スコットは製作総指揮とかそんなポジションでした。
前々作『プロメテウス』、そして前作『コヴェナント』の流れ…要はエイリアンを造ったのは人間が造ったアンドロイドだったのだ!という事実の続きを観たかったので、新作もリドリー・スコットが監督をっ!と僕は切望していましたが、残念ながら叶わず。
なぜなら前作、前々作は一般向けには評価の低い作品かつ興行収入的には失敗になってしまいましたからね(TEDトークを本編に入れていたらリドリー・スコットの続投があったかもしれないのは皮肉は話でしょうか…)。
しかも今作は噂ではコヴェナントの流れもなかったことになっているとかなっていないのか????どうやらそんな感じのようで(どう考えても続きのある流れでしたからね…)、個人的にはゼノモーフ云々のホラー要素よりも、ブレードランナーにも通じる人類やアンドロイドの話があってこそ、初めてエイリアンという存在がホラーとなると思っていまして、それが”なかった事”になるのはちょった待った!といった心境です。
なので今回の新作はそこまで期待していない作品ながらも、エイリアンシリーズ(AVP含む)はすべて観ており、好きな作品に至っては繰り返し何度も何度も観ているので、観ることは間違いありません。なんなら映画館に観に行きたいほどです。
さて、そんな僕の好きでやまないエイリアンシリーズ。とあるポッドキャストやウェブメディアを見ていたら、新作公開に乗っかって名作ランキングなんかを発表していました。
https://www.businessinsider.jp/post-292023
こちらのウェブメディアは何を基準にしているのか謎ですが、1位 『エイリアン』(1979年)、2位 『エイリアン2』(1986年)に続いてまさかの3位に 『エイリアン:ロムルス』(2024年)がすでにランクイン!ってことで、新作の評価はそれなりに高いどころか、相当高いようです。
思えば僕は意識をしてエイリアンのランキングを考えたことがなかったのですが、これに相乗して僕なりにエイリアンランキングを考えてみました。
1位 『エイリアン』(1979年)
で、1位はまぁ問答無用にリドリー・スコットの『エイリアン』で、おそらくエイリアン好きの皆さんと同じ意見ですね。いつまで経っても全く出てこないエイリアンにゾクゾクしっぱなしだし、何よりアンドロイドから出てくる白い牛乳や裂ける身体などの表現が堪らなく、リドリー・スコット印が大好きなんです!
2位 『プロメテウス』 (2012)
2位は一般的には評価の低いと思われる『プロメテウス』。この作品の良さが分からない人は、エイリアンシリーズにきっと人類とかアンドロイドよりもゼノモーフによるホラー要素を求めている方々なんじゃないかと思っています。要は2が好きな人はこの作品全然好きじゃないんだろうなと思います。なんせゼノモーフ登場しませんからね(笑)。
僕は良い意味で裏切られたどころか、「エイリアンにほしかったのはこれ!」と、もうどストライクな作品でして、アンドロイド(デヴィッド)を通じてエイリアンや人類のルーツが解明されてくのが堪りません。そして結構難解なあたりも何度も観れる作品となっているため好きな要因です。
3位『エイリアン2』(1986年)
世間一般では1位に君臨していることの多いエイリアン2。それは分かりやすいアクション要素や「これで終わる」と見せかけ何度も何度も登場するエイリアンにハラハラし、その度にリプリーが困難を乗り越えるカタルシスは完全にジェームズ・キャメロン印。
このあたりは僕も非常にワクワクし、面白いと感じ、暫くは1位として君臨していましたが、実はこれアバターと同じ展開だし、ターミネーター2でもやっているし、タイタニックだしってことで、エイリアンの唯一無二感がないことを理由に3位となりました。
同時にリドリー・スコットが追求している近未来が出来上がる普遍性を語る深さには足元にも及ばなくなってしまったとも感じるようになりました。事実!続アバター作品にはいまいち興味が持てませんから!ウェイ・オブ・ウォーターはようやく観る気が起きたぐらいの熱量です。
エイリアンシリーズは縦ではなく横
と、ランク付けしておきながら、実は僕はエイリアンはランク付け不可能な作品群とも捉えています。というのもそもそも僕はエイリアンシリーズは縦でランク付けをするものではなく、横の並行で考えるべきだと感じています。
なぜならエイリアンシリーズは各作品各監督によって設定やテーマが全く違っていると感じています。リドリー・スコット監督作であれば、前述したようにエイリアンという存在をもとに人類やアンドロイドについてのルーツを解明していっていますが、その他の監督作であればそうした言及はおそらくほとんどありません。
なので、ランク付けするのであればあとはすべて並列ぐらいの感覚なのが、僕のエイリアンシリーズの評価です。
デビット・フィンチャーの『エイリアン3』は世間の評価は低いながらも僕は個人的には非常に好きな作品であり、何度も観ている作品でもあります。
というのも、僕は時代背景は2より3の方がリアルタイムだったりしていまして、「主役の女が坊主になったぞ!」と話題になったり、まだ未発達なCG技術の異様さの新しい表現に、ちょっとした未来を感じたことも大きな要因としてあるように感じますし、閉ざされた世界やそれに伴う背景デザインも実は好きだったりします。繰り返しなんども観ている作品です。
ジャン=ピエール・ジュネの『エイリアン4』は当初一番駄作と思っていましたが、観直したら以外にめちゃ面白かった事がありまして、それ以来実は侮れない作品として君臨しています。激強アンドロイドリプリーにウィノナ・ライダーがアンドロイドと、そんな展開一体誰が予想したでしょうか??
設定がめちゃめちゃ過ぎたのか?異常に評価低すぎるように感じますが、それは多分僕のように一度観たきりのまま評価を下している方が多いのです。僕が『ゴッドファーザー3』の評価が低いように。
そして2017年の『コヴェナント』も『プロメテウス』ではった伏線をぐちゃぐちゃにしたと酷評された作品ですが、僕はなかなか好きな作品です。というのもマイケル・ファスベンダー演じるアンドロイド(ウォルター&デヴィッド)が思う存分楽しめる映画だからです。
何を考えているのか全く解らないデヴィッドの不気味さにこそホラー要素が詰まっており、それを演じるマイケル・ファスベンダーを観るための映画として捉えています。
ここまで来ると正直細かな設定や内容、そしてそれに伴う矛盾や違和感などはどうでもよく、ストーリーの大枠の面白さとデヴィッドをあれだけ堪能できるのであれば、僕は良い映画としての充分な説得力があると感じています。
ラストの展開、デヴィッドのあの顔!僕は大好きなんです!
…と、こんな感じにエイリアン好きがエイリアンについて書いてみました。時間があえば新作を観に劇場に足を運んでみたいなと思っていますが、なかなか難しいのが現状としてあるんですよね(徳島県という田舎に住んでいると、住んでいる場所や時間、そして子育て中って事情があるんです)。
行けたらよいな。行けたら感想書きます。
Comments by daisuke kobayashi
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VoightLander 単焦点レンズが欲しい。
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