過去の出来事、技術、思想を未来の視点から再解釈するために書き残すブログメディア Hyperpast Journal(ハイパーパストジャーナル)。書き手は映像クリエイターのDAISUKE KOBAYASHIです。

数年前からULフィッシングという概念を自分で作り出し、自身のスタイルとして釣りを楽しんでおりますので、今回はそれについて書いてみたいと思います。

ULフィッシングとは?

ULフィッシングとは、ウルトラライト・フィッシングの略で、登山家の概念としてあるULハイキングに影響を受け名付けました。

ULハイキングは装備を極限まで軽量化し、効率的かつ快適なトレッキングを目指すスタイルのハイキングといえますが、ULフィッシングも装備を極限まで軽量化し、効率的かつ快適なフィッシングを目指すスタイルということができます。

登山同様、ついつい荷物が多くなりがちな釣りですが、僕は荷物が多くなること(両手が塞がること)が昔から嫌で嫌で、釣りに限らずあらゆるシチュエーションで荷物はできる限り少なくするよう努めてきました。

例えば、かれこれ15年近く前にワーキングホリデーにオーストラリアに行った際(アベノミクスによる一時的な円高が懐かしい!)、当然スーツケースは持たず、小型メッセンジャーバッグと60Lほどのバックパックにすべてを詰め込んで移住をしました。今の時代を考えると荷物が多く感じるかもしれませんが、当時はそんな荷物が少ない人はまだまだ少ない時代でした。

また、映像制作の基本スタイルは小型のミラーレスカメラと小型のレンズにバックパックと、映像クオリティよりも通常スタイルでは撮れない映像カットに比重を置き、動きやすさを重視するようにしています。

ですので、釣りにおいてもソレを反映させることは必然でして、とにかく荷物を減らすよう心がけて釣りをしてきました。

すると、いつからかちょっとした道具で小物から大物まで釣れるようになり、自分のスタイルとしての『ULフィッシング』が確立されていくのを感じるようになったのです。

ダイニーマ製ファニーパック

そこで最近導入したのがこちら。

ダイニーマ製のファニーパック。

ダイニーマ(Dyneema®)とは、オランダの化学会社DSMによって開発された、高性能な超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)繊維。「世界で最も強い繊維」と呼ばれており、軽量性と耐久性が優れている素材です。釣り糸にも使われていたりします。

僕は日頃からダイニーマをはじめ、X-pacなどの軽量かつ強度の高いバックパックやスタッフサックを使うようにしていますが、それのファニーパックってことで、しばらくはこれだけを釣り場に持っていって楽しみたいと考えています。

ちなみにファニーパックとは、ウエストポーチと同意のアイテム。ノートパソコンをラップトップと呼ぶ感覚と同じでしょうか(笑)。

で、今までの経験上、ここに入るぐらいの道具で小型のアジから80cmを超えるヒラスズキまで釣ってきているので、魚釣りは道具の量と釣果は比例することはあまりなく、いかに厳選するかが重要だと感じています。。

昨年釣ったヒラスズキ80cmは、8cm程度の小型ミノーにアジ用ロッドで釣っていますし、ここ3年ほどは同じスタイルで結果を出しています。

ですので、ULフィッシングをもっと「見える形」にしていこうと思い、今回ファニーパックを導入してみたというわけです。

2025年、初釣りはまだしていませんが、近々このパックだけを持って初釣りに行ってみたいと思っています。

真冬ってことで釣れる魚はアジかメバルになると思われるので、現在この中に入れているのはそれ用といった感じ。

小型のルアーケースにはワームやジグヘッド、ミノー。ヘッドライト、タオル、リーダー、妻から借りパクしているコンデジカメラ、魚つかみやプライヤーなどなど、たったこれだけですが、僕の釣りスタイルにおいては十分事足ります。

アジ、メバルを狙いますが、真冬で僕が通っているポイントであれば外道でランカーシーバス、真鯛まで釣れますので釣果を乞うご期待。

ウルトラライトな思考

ちなみに、荷物を減らすということは移動距離を伸ばすことと同意です。ですので同じポイントに縛られないウルトラライトな柔軟な考え方と、ウルトラライトな足で移動距離を稼ぎ、魚が大きかろうが小さかろうが自分だけが釣れる魚を釣り、そしてまるで自然の中を冒険しているかのようにとことん釣りを楽しむ!というのが、僕が考えているULフィッシングの本来の概念であり目的だったりします。

ギアなど軽いモノを使うことはあくまでもキッカケであり、二の次であり、口実なのです。

大きな魚を狙って釣るのも楽しいかもしれませんが、スポーツ化しすぎてしまっていたり、人と人、もしくは人と魚との勝ち負けをつける釣りは僕は決して好きではないし、興味も全く持てません。そもそも自然相手に勝つもなにもない、というのが僕の考えです。

そうした現代の歪な釣りへのカウンターとしても、僕はULフィッシングを表現していたりするのです。

要はULフィッシングとは、釣りマーケットが拡大し、多くの釣り方、多くの道具が開発され便利になっていく中での、厳選してミニマムに楽しめる釣りであり、ある種はエコシステムとも呼べるのかもしれません。

ULフィッシング、追求と同時に引き続き発信したいと思います🎣